最近では薬が効かず今朝の血圧は159/100な店主です。昨日は新年会で京都に行っていたのですが電車で隣に座っていた女性がちょっと微妙な香りがしていてなんの匂いか思い出せずモヤモヤしていたのですが、ドルステにあらブラニーの香りに似てて(笑)そんなこんなで今回はラブラニーとジプソフィラ、ドルステニア兄弟の「匂い」にだけ集中して話します。葉や塊根の形も魅力ですが、この二種は嗅いでこそ本領発揮。店で鼻を近づける瞬間、世界がちょっと違って見えるんですよ。

ラブラニーは爽やかな朝を連れてくるタイプ。触れるとふわりと立ち上がるのは柑橘系の清々しさとハーブのような緑のニュアンス。乾いた空気に馴染むと奥から少し樹脂っぽい甘さが顔を出し、短い時間で複数の層を見せます。朝光の中で嗅ぐとレモンティー、昼の温度で嗅ぐと青いハーブ、そんな三段構えの表情が面白い。手の甲で軽く撫でて嗅ぐと、葉に残る微かなオイル香がより立ち上がるので試してみてください。
一方ジプソフィラは映画のワンシーンを思わせる、物語性のある香り。第一印象は甘く熟した果実や蜜、そこに驚きのココナッツの柔らかい乳香が混ざることが多いです。温度と湿度が一体になる時間帯に香りの輪郭がはっきりして、遠い南国の市場を散策したあの夏の記憶を呼び起こします(笑)さらに時間が経つと、ほんのり獣的で深いアクセントが顔を出し、香りの物語に影が差す――好みが大きく分かれる所以です。ココナッツノートは穏やかで決して甘ったるくなく、他のフルーティーさと絶妙に溶け合っています。

面白いのは、同じ個体でも日内変化や季節変化で香りが移ろうこと。あるジプソフィラは朝はココナッツのふんわりしたクリーム感、夕方には蜜と獣感の混じった劇的な深みを見せ、嗅ぎ比べるたびに新しい一面に出会えます。匂いは視覚よりも直接、記憶と結びつくので、『この香り初恋の人の香りだ!』といった個人的な印象が出やすいのも楽しいところ。
匂いフェチの方にはぜひ試してほしい嗅ぎ比べがあります。ラブラニーの透明な柑橘ハーモニーと、ジプソフィラのココナッツを核にした甘み・深みの対比は、短い時間で旅をするような満足感をくれます。琵琶湖の湖畔で嗅ぎ比べをしてみてはいかがでしょう?あの夏の思い出が蘇るかもしれませんね(汗)香りだけを目的にふらっと立ち寄ってください。
それではボンジュール、ドレッセ、そして良い嗅ぎ旅を。皆様のご来店をお待ちしております。
