【職人の狂気】厚さ8mmの壁。zen pottery laboの長角鉢。

琵琶湖の湖畔でボンジュール! 滋賀県大津市、びわ湖のほとりで届いたばかりの鉢の凄みに震えながら営業中の「ビオプランツ」です。

皆さん、最近店に入荷した、あのとんでもない鉢、もうチェックしてくれましたか? そう、ZEN pottery labo「タタラ作りの足付き角鉢(260mm×200mm)」です。

今日はね、この鉢がいかに異端で、いかに作り手泣かせの「ヤバい代物」なのか、ちょっとマニアックな話をさせてください。

陶芸を少しでも知ってる人がこの鉢を見たら、おそらくこう言います。 これ作った人、頭おかしいんちゃうか?(最大級の褒め言葉)」って。

なぜか? それは、信楽の土を使って、あのサイズを「厚さ8mm」で作ることが「狂気の沙汰」だからです。

タタラ作りの宿命、「反り」と「割れ」の恐怖

まず、「タタラ作り」というのは、粘土を板状(スライス状)にして、それを組み立てて箱のように成形する技法です。ロクロでは出せない、シャープでエッジの効いた直線的な造形が魅力なんですが……。

土っていうのは、乾燥する時と、窯の中で焼かれる時に必ず縮むんです。 しかも、26cm×20cmという「巨大な平面」を板で作ると、縮む時に真っ直ぐ縮んでくれません。必ず中央が反り返ったり、波打ったりしようとします。

さらに、板と板を貼り合わせた「角」の部分。 ここは収縮のストレスが一番集中する場所で、少しでも乾燥具合に差があると、窯の中でパックリと割れます。

「厚さ8mm」という絶望的な薄さ

普通、これだけ大きな鉢を作るなら、反りや割れを防ぐために、土の厚みは1.5cm〜2cmくらいは持たせます。分厚く作れば頑丈ですからね。 それを8mmに削ぎ落とす。

8mmですよ!? スマホより薄いんですよ!? 窯の中で土が1000度を超えてドロドロに柔らかくなった時、この薄さの側面では、26cmの幅を支えきれずに「たわむ(ヘタる)」可能性が極めて高いんです。 それを防ぐための、ミリ単位の水分コントロールと、何日もかける極限の乾燥作業。気の遠くなるような神経戦です。

トドメの「足付き」と「信楽の粗土」

ただでさえ反りやすく割れやすい巨大な薄板に、さらに「足(高台)」を付ける。 これで底面が宙に浮くわけですから、焼成時に自重で底がベコンと落ち込むリスクが跳ね上がります。

しかも、使っているのは信楽の土。 長石や珪石(小石)がゴロゴロ混ざった「粗い土」です。 植物にとっては水はけが良くて最高の土ですが、タタラ作りには一番不向き。薄く伸ばせば千切れやすく、石が邪魔をしてヒビが入りやすいんです。

根を育てる!

これだけ失敗するリスク(歩留まりの悪さ)を抱えてまで、なぜzen pottery laboさんはこの鉢を作ってくれたのか?

この鉢はなぜ角形か?それは丸型はどうしても用土の量が少なくなるが、角型ならたくさん入りしかも水捌けが最高なので兎にも角にも根の張りが最高なんです。

これにおパキプスなんて植えて、1ヶ月置いといてみてくださいな。根も枝もバッチバッチですよ!

分厚い鉢には絶対に出せない、薄刃のようなシャープなエッジ。 巨大でありながら、空間を重くしない究極の軽快さ。 それが、信楽の野性味あふれる粗土で作られ、塊根植物の荒々しい根を受け止める。

この「相反する要素の奇跡的なバランス」は、妥協を許さない職人の執念と神業がなければ絶対に生まれません。

お店に来たら、ぜひこの鉢の「縁(エッジ)」を指でなぞってみてください。 その薄さと、zen pottery laboさんの技術の結晶に、震えるはずです。

びわ湖のほとりで、お待ちしております!

ボンジュール、ドレッセ!

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